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債権回収の強い見方!仲裁手続の概要を解説

はじめに

「債権回収」と聞くと、法廷での裁判を想像する人が多いかもしれません。しかし、相手がお金を払ってくれないからといって、いきなり訴訟を提起するといったことはあまりありません。

「払ってくださいよ」と直接相手に伝える催告や、調停、仲裁といった訴訟以外の紛争解決手段も、債権回収の場面では大いに活用されています。

しかし、「調停」「仲裁」と聞いても、実際にやってみたことのない人はどのようなものか想像がつかないかもしれません。なんとなく、話合いのようなものであることはイメージできるでしょうか?

今回の記事では、債権回収の有力な手段となりうる「仲裁」という制度について詳しく説明していきましょう。

仲裁とは?

まず、一言で言うと「仲裁」とは何なのでしょうか。

仲裁とは、紛争の当事者が「仲裁人の判断に従います」という合意をした後でその仲裁人に主張や証拠を提出し、それに基づいて仲裁人が最終的な判断を下す、という紛争解決の手続です。

この仲裁人の判断を「仲裁判断」と呼びますが、当事者はこれに拘束されることになります。仲裁判断が気に入らないからといって、「やっぱりこの話はなしで」と言うのは通用しないのです。そのため、仲裁人には公平な第三者が選ばれることになっています(この選び方については後で詳述します)。

 

仲裁に似た紛争解決手続として、「調停」というものもあります。

仲裁と調停との違いは、調停の当事者は調停人の提案に従わなくても良いという点にあります。当事者は調停案が気に入らなければ「この案は受入れられません」と言ってはねつけることができるのです。

 

そのため、調停が上手く行くためには、仲裁の場合よりも一層、お互いの譲歩する気持ちが必要になります。

仲裁のメリットとは?

①仲裁判断の効果は強力!

仲裁人が最終的に下す仲裁判断の効果は強力で、裁判所の下す訴訟判決と同じ効力を持ちます(仲裁法451項)。

つまり、当事者の一方が仲裁人の下した仲裁判断に従わず、債務を履行しない場合は、もう一方の当事者は仲裁判断に基づいて強制執行を開始することができるのです。

強制執行の方法等については別記事に詳しく書いていますので、ぜひそちらも読んでみてください。

 

②時効の中断効もあります

仲裁手続の中で相手方に請求を行うと、その債権の消滅時効を中断することになります(仲裁法292項)。

ただし、仲裁手続が最終的に仲裁判断で終わらなかった場合(仲裁の申立てが取下げられた場合など)には、時効中断効がなくなる場合もありますので、注意しましょう。

 

③早くて安い!

訴訟を提起するとなると、訴状の提出から判決の確定までは相当長い時間がかかると思っておいたほうが良いです。場合によっては何年も訴訟に費やしてしまう場合もあります。

 

それに対して仲裁は、訴訟に比べて柔軟な手続が可能なため、比較的早く決着が着くというメリットがあります。一般的には、手続の開始から仲裁判断の送達までは数ヶ月程度、長い場合でも1年半程度しかかかりません。

 

また、訴訟費用は(勝訴すれば全額相手方の負担になる可能性があるとはいえ)馬鹿になりませんし、弁護士費用もかかります。

一方で仲裁は、多くの場合で訴訟に比べて費用が安く抑えられます。弁護士をつけずに解決することも多いので、その点でもコストがかからずに済むのです。

 

④心理的なハードルが低い

訴訟となるとどうしても大事に感じてしまいますし、実際にかかる時間と手間、精神的負担を考えると、ストレスを感じないという人はほとんどいないでしょう。

しかし、仲裁となると話は違います。まず話合いであることが前提であるため、相手との関係性を良好に保つことができる可能性が訴訟の場合よりも遥かに高いのです。

また、コストも低くすみ、早期に解決できるため、そういった面でもストレスが少なくて済むのです。

 

さらに、訴訟は一般に公開されるのが原則である一方で、仲裁は非公開の手続となっています。そのため、個人的な秘密が守られるというメリットもあるのです。

仲裁の具体的な流れを解説しましょう

  仲裁手続の大まかな流れ

仲裁手続は、仲裁をすることについての合意

→仲裁の申立て※

1回目の期日に必要な事項などについての通知

→原則として13回の期日

→仲裁判断の作成

→当事者への送達

 

といった手順で行われます。

 

  仲裁センター等の仲裁機関を利用する場合には、申立てが必要になります。この申立ては、仲裁合意の前に一方当事者が仲裁センターに対して行う場合もあります。詳しい申立ての方法については各仲裁機関の公開している情報をチェックしてみてください。

 

これを踏まえて、以下では重要なポイントについて説明していきます。

 

 

  仲裁をすることについての合意が必要です

上でも軽く触れたように、仲裁手続を始めるには当事者の合意が必要となります。訴訟のように、原告が一方的に訴えを提起すれば手続が開始される、といったようなものではないのです。

 

そのため、仲裁を始めるにはまず何よりも、当事者同士で仲裁を開始する合意をしなければなりません。

この合意は紛争が生じる前、取引について契約を締結する段階で、予め条項の中に入れこまれていることもあります。「この契約に関して生じる全ての紛争は仲裁によって終局的に解決されるものとする。」といった具合です。

 

また、「仲裁の合意をしませんか?」と相手に直接連絡するのが難しい場合には、仲裁センターなどの機関から相手方に連絡してもらって、合意するかどうかの返答をもらうといったこともできます。

 

注意点としては、仲裁合意は書面でなされなければならないということが挙げられます(仲裁法132項)。口約束だけでは仲裁合意がなされたとは認められませんので、きちんと書面を残すようにしましょう。

 

 

こちら側に仲裁手続を行う気があっても、相手方に拒否されてしまった場合は、仲裁手続を利用することについては諦めるしかありません。当然のことながらこの場合は調停手続の利用も不可能なので、訴訟の提起といった別の紛争解決手段を使うことを検討しましょう。

 

 

  仲裁人を選びます

仲裁人は当事者が一から自分で探してくる場合もありますが、公平な第三者を当事者が見つけるというのはなかなか難しい場合もあります。仮に一方がそのような人を見つけて来たとしても、その人を仲裁人にすることについて相手方の合意が得られるかというと、簡単にはいかないでしょう。

 

そのような場合には、裁判所や弁護士会の仲裁センターなどの協力を得て仲裁人を選ぶこともできます。

この場合も、当事者双方の合意で候補者の中から仲裁人を決定するのが原則です。

 

当事者が2人の場合は、原則として仲裁人の人数は3人です(仲裁法162項)。

ただし、当事者の合意で仲裁人を1人や2人にすることもできますし、4人以上にすることもできます(仲裁法161項)。しかし、人数が多ければ良いというわけでもありません。多くの場合は仲裁人の人数は3人とされているようです。

当事者が3人以上の場合は、合意によって仲裁人の人数を決めます。どうしても合意が成立しなければ、当事者のうち誰か1人の申立てによって裁判所が仲裁人の人数を決定することになります。

 

また、仲裁人には、元裁判官や弁護士、法学者など法律に詳しい人が選ばれるのが一般的です。訴訟でなく話合いであるとはいえ、法律に基づいた判断が必要になるのは変わりないので、仮に当事者で仲裁人を探してくるとしても、こういった法律のプロを選んだほうが良いでしょう。

 

さらに、事案の種類によっては知的財産の専門家である弁理士や、建築学や医学といった分野の専門家も仲裁人の合議体に加えることがあります。欠陥住宅に関する紛争など、専門家がいなくては具体的な判断の難しいケースもあるためです。

 

 

では、仲裁人の選定について、どうしても当事者の合意が成立しない場合はどうすればよいのでしょうか。

こういった場合に仲裁が開始できないとなると、仲裁制度は絵に描いた餅になってしまうため、仲裁人を選ぶ方法はきちんと法律で定められています。

 

この場合の仲裁人の選定方法は、当事者と仲裁人の人数によって異なります(仲裁法17条各項)。

当事者が2人で、仲裁人の人数を1人にするという合意が成立しているもののその仲裁人が決まらないといった場合は、一方当事者が裁判所に申立てることで仲裁人を選任してもらえます。

当事者が2人で、仲裁人の人数が3人の場合は、双方の当事者が1人ずつ仲裁人を選び、その2人の仲裁人があと1人の仲裁人を選ぶことになります。

当事者が3人以上の場合は、申立てによって裁判所が仲裁人を選びます。

 

 

  主張の整理、証拠の提出をしましょう

リラックスするのは良いことですが、「仲裁は話合いなのだから、訴訟みたいに気張らなくても大丈夫だ」と思っていてはいけません。

あくまで紛争解決手段であることには変わりないので、自分の利益のために責任をもって主張・立証をしなければならないことには変わりないのです。気を引き締めて準備しましょう。

 

当事者は、自分の求める判断や自分の主張、そしてその根拠となる事実を、仲裁人が決めた期間内にまとめて提出しなければなりません(仲裁法311項、2項)。仲裁センターや弁護士会がこれらを記載して提出するためのフォーマットを用意している場合もあるので、紛争解決機関のホームページをチェックしてみるのも良いでしょう。

 

また、このときに主張の根拠となる証拠を提出したり、提出する予定の証拠を引用したりすることもできます。

 

このときに、できるだけ全ての主張、事実をまとめて陳述しておきましょう。

仲裁手続が行われている間であれば、後からでも陳述の変更や追加は可能ですが、そのタイミングがあまりに遅い場合は、仲裁人の裁量で却下される可能性があるためです(仲裁法313項)。

 

 

  いよいよ「期日」です。

当事者と仲裁人が集まって、意見の聴取や証拠の提出を行って審理する日を「期日」と言います。この期日の回数は決まっていませんが、標準的には1つの事案につき3回ほどの期日が開かれます。

期日の日時は、仲裁人が当事者の都合を聞いて調整、決定します。

審理の場所は、仲裁センター等を利用している場合はそのセンター内の一室になることが多いですが、仲裁人が弁護士である場合などはその所属する弁護士事務所の一室になることもあります。

 

期日においては、意見を述べる際にあまり感情的にならないように注意しましょう。仲裁人は証拠や主張の内容に基づいて仲裁判断を作成しますので、いくら感情をむき出しにしても有利にはなりませんし、余計な時間がかかることになるだけです。

 

仲裁人は証拠の証明力について判断する権限や、証拠として採用するかどうかを決める権限を持っています。

 

また、場合によっては、当事者同士が顔を合わせなくて済むように仲裁人が個々に話を聞くように計らうこともあります。どうしても相手方と顔を合わせたくない場合は、事前に自分から仲裁人に頼んでおいても良いでしょう。

 

  仲裁判断の作成と送達によって手続は終わります

両当事者の主張や証拠に基づいて仲裁人が署名付の仲裁判断を作成し、これの写しを当事者に通知することで仲裁手続は終了します。

この仲裁判断の内容に従って、債務を負うことになった当事者は債務を履行しなければなりません。

 

  仲裁判断以外の仲裁手続終了事由は?

全ての手続が仲裁判断で終わるとは限りません。

 

当事者の合意で仲裁手続を途中で終了させる場合(その後、訴訟になることもあるでしょう)や、仲裁人が手続の途中で両当事者に和解勧告をした結果、和解に落ち着く場合もあります(仲裁法384項)。

仲裁判断に不服がある場合は?

原則として、仲裁判断に不服があったとしても、当事者は不服申立てができません。訴訟と違って上訴の制度はなく、審理は1回限りなのです。

例外的に仲裁判断の取消が認められる場合もあります。当事者に行為能力制限があって仲裁合意が無効である場合や、申立ての範囲を超える仲裁判断がなされた場合が挙げられます(仲裁法441項各号)。

 

これらの場合に仲裁判断を取消してもらうためには、裁判所へ申立てその判断をあおぐ必要があります。また、この申立ては仲裁判断の通知があってから3ヶ月以内でなければ受理されませんので、注意が必要です(仲裁法442項)。

まとめ

仲裁のメリットや、手続の大まかな流れについて説明してきました。このような紛争解決手段もあることを覚えておくと、いざ問題が生じた場合にも落ち着いて対処することができるかと思います。

「訴訟は気が重いけど問題を放置するわけにはいかないし、仲裁をやってみようかな…」と思ったら、まずは近くの仲裁センターや弁護士会、顧問弁護士等に相談してみましょう。

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