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強制執行によって債権を回収するための3つの流れと
3つの強制執行の方法

はじめに

数ある債権の回収方法の中でも特に強力な方法が「強制執行」です。強制執行は「公の権力を使って、債務者の動産や不動産(財産)から強制的に債権の回収する方法」です。各種の債権の回収方法の中でも、最終手段ともいえるような強い方法です。

 

強制執行には、執行官が家財に札のようなものを貼り付ける印象を持っている人が少なくありません。ドラマや映画などの影響ではないでしょうか。ただ、強制執行は、必ずしも家財に札の貼り付けが行われるわけではありません。また、強制執行は1つだけの方法を指すわけではありません。「強制執行」という言葉の中には、3つの方法が含まれています。どんな財産にどの強制執行の方法を使って強制執行をするかによって、債権を回収するまでの道筋がわかれます。

 

強制執行によって債権を回収するためには、

「強制執行の3種類の方法の中のどれを選択するか」
「強制執行の対象にする財産は不動産か動産か。不動産ならどの物件や土地か」
「費用倒れの心配はないか」
「債務者の返済態度はどうか。誠実か、経済状況を偽っていないか」
「話し合いの余地はないか」
「他の債権の回収方法で債権を回収することはできないのか」
を考え、慎重にプランニングする必要があります。

 

強制執行は強力かつ最終手段的な債権の回収方法です。だからこそ、事前に債権者と弁護士で綿密な計画を立てて実行に移すことが重要になります。 

 

強制執行による債権回収を成功させるために、強制執行の基礎知識たる「強制執行の3つの種類」についておさえておきましょう。基礎知識をおさえることで、強制執行を使った債権の回収をよりスムーズに進めることができます。

強制執行による債権の回収をするための流れ

強制執行で債権の回収をはかる場合、事前に別の方法で債権の回収を試みている必要はありません。条件さえそろっていれば、すぐに強制執行による債権の回収に進むことができます。強制執行による債権回収は3つの流れで進みます。

 

① 債権の状況や性質と強制執行の条件がそろっているかを確認する

 

強制執行の手続に入る前に、債権の確認と強制執行に必要な条件がそろっているかを確認します。強制執行は強力な方法ですが、強力ゆえに条件がそろっていないとできないという制限があります。お金の貸し借りの事実さえあればすぐに強制執行ができてしまうのでは、悪戯に強制執行の乱発を招く恐れがあるからです。

 

不動産を差押さえて売却してから「実は債権がありませんでした」ということになっては大変です。債権者のみならず、債務者の損害も大きなものになります。また、強制執行は公権力が動きます。公権力という強力な力を動かすのですから、強制執行の発動には相応の条件が必要になります。「債権がなかった」では、公権力を動かす費用も無駄になります。強制執行は債権の回収方法の中でも、条件をそろえてはじめて可能となる方法なのです。反対に考えると、条件さえそろっていれば、通常訴訟などの他手段を前段階として用いることなく強制執行ができるということです。

 

まずは回収すべき債権について確認し、クライアントとなる債権者から状況のヒアリングを行います。同時に、強制執行をするための条件がそろっているかを確認することになります。

 

強制執行のためには「債務名義」という条件が必要です。

債務名義とは、確定判決や調停調書、執行証書、和解調書、仮執行宣言付判決などの、強制執行をするために不可欠な公文書のことです。

公文書なら全てが強制執行のための債務名義になるのではありません。民事執行法という法律で定められている公文書だけが強制執行の条件たる債務名義になります。個人間の金銭消費貸借契約書や売買契約書などは含みません。ただし、個別の抵当権を設定している場合は、抵当権(根抵当権も含む)を使って強制執行をすることも可能です。

 

債務名義や抵当権がない場合に強制執行をしたい場合は、債務名義を取得するところからスタートすることになります。債務名義の取得方法としては、通常訴訟や少額訴訟、調停、支払督促、和解などの方法が考えられます。

 

通常訴訟の判決などを受けて債務者が支払いに応じてくれれば、強制執行をするまでもなく債権の回収は終了です。債務名義が必要で通常訴訟を申し立てたのに、和解の成立や債務者が支払いに応じることによって強制執行まで進まないケースもあります。

 

② 強制執行の対象になる債務者の財産(動産や不動産)を確認する

 

強制執行をしても、債務者に動産や不動産などの財産がなければ意味がありません。

どこにどんな財産があるのかわからなければ、強制執行をすること自体が難しくなります。迅速な債権の回収という点でも、債務者の財産にどんなものがあるのか、どこにあるのかを確認しておくことは重要です。

 

例えば、債務者の所有する不動産に強制執行をしようと考えていたとします。しかし、不動産がどこにあるのか、どのくらいの価値があるのかがわかりません。この状態では、強制執行をすることが難しいと考えられます。なぜなら「どこかに債務者の不動産がある」とぼんやりとしか分からない状態では、強制執行をする側である公権力が困惑してしまうからです。

 

そして、不動産の価値がわからないと、強制執行の費用より不動産の価値の方が下回ってしまうというリスクが考えられます。不動産の換金額が費用を下回ると、費用倒れによって赤字を出してしまう可能性も考えられます。債権の回収に成功しても結果がマイナス(失敗)では、苦労して強制執行の準備や手続きをする意味がありません。

 

債務者が所持している「強制執行で債権の回収が可能な財産」を確認することが必要です。同時に、債務者の財産の価値を把握して、強制執行をするメリットがあるか確認します。

 

強制執行をするための条件がそろっていても、強制執行をすることがマイナスになるなら(費用倒れの恐れがあるなら)、強制執行の計画を再考するか、別の債権の回収方法を用いることを検討することになります。

債権を回収するためには
「債務者の財産の所在」
「債務者の不動産や動産などの財産価値」
「強制執行をして債権者側がマイナスにならないのか」

を慎重かつ迅速に判断することが必要なのです。

 

③ 債務者の財産に強制執行を行い債権の満足へと繋げる

 

強制執行によって債権の回収ができる場合において、債務名義などの強制執行の条件がそろっていれば、強制執行の申立を行います。財産の種類に合わせて、差押えの登記や金融機関への差押え通知などの必要な手続きも行います。

 

強制執行は同時にいくつもの不動産に対してすることもできます。銀行預金と不動産というように、同時に別種類の財産に対して行うことも可能です。債務者が所有する不動産全てに対して強制執行するというかたちで、同種の財産を大量に強制執行の対象にすることもできます。

 

財産の種類によって換金までの流れが多少違ってきます。例えば不動産の場合は、まず差押えの登記をし、債務者の所有不動産の差押えからスタートすることが基本です。不動産は最終的に競売に付され、換金することになります。換金額から費用を差し引いた額から債権の満足を受けます。

ここまでの①から③が強制執行の基本的な流れになります。

強制執行の3つの方法!直接強制・代替執行・間接強制

強制執行には「直接強制」「代替執行」「間接強制」という3つの方法があります。
強制執行は金銭消費貸借による債権の回収にしか使えないわけではなく、債権や事情に合わせて強制執行の方法を選択することができます。

 

金銭以外の事情が絡む債権にも使うことのできる強制執行の方法もあります。強制執行は幅広い債権の回収や、他の法律トラブル案件の解決にも活用されています。

 

3つの強制執行は何を基準にして選択すべきか?

 

債権には金銭消費貸借や売買などのお金の問題がたくさんあります。強制執行の対象になる多くの債権トラブルは、お金の貸し借りや、売掛金の未払い案件などです。しかし、トラブルの中には、お金だけで解決できない問題もあります。世の中の契約には、様々な性質や事情が絡み合っている契約が存在しているからです。

 

たとえば、ニュースでよく取り上げられる有名な問題として「アパートの不退去問題」があります。アパートの不退去問題では、通常訴訟などで判決が出た後も立ち退きをしないといった悪質なケースが存在します。

 

金銭債務の回収だけが問題になっているのなら、債務者の不動産や動産に強制執行をすることで解決できるかもしれません。しかし不退去の場合、不退去の対象になっているアパートを差押さえて強制執行をすればいいというわけではありません。不退去の対象になっているアパートは退去しない人の所有物件ではありません。まったく解決していないことになります。

 

一方向から見ると金銭の問題でも、異なる方向から見ると別の性質を持つ債権もあります。絵を描く代わりに100万円を支払うという債権の場合、片方から見ると金銭問題としての性質があります。しかし反対から見ると、金銭的な問題だけではないことがわかります。絵を描いてもらうのですから、強制執行によって不動産や預金口座を差押さえて強制執行することで解決することは難しくなります。お金の問題だけではないからです。

 

強制執行の種類は「回収したい債権の種類」や「事情」に合わせて、
「どの強制執行が適切か」
「他の債権の回収方法とも比較して適切か」
「費用倒れしないか」
を考えて選択することが重要になります。

 

弁護士に相談する時は最初から強制執行の種類まで指定する必要はありません。事情や債権、債務者の返済態度などを総合的に考え、強制執行も含めた債権の回収方法の中から適切と考えられる方法を弁護士が提案し、クライアントの要望に合わせて計画を立てて進めることになります。

 

直接強制とは?メリットとデメリット

 

「直接強制」は、強制執行の方法の中でも最も一般的な方法として用いられています。多くの人が強制執行と言われて想像する強制執行がこの「直接強制」です。

不動産や動産などを差押さえて換金することにより債権の回収をしたり、差押えた預金口座などから債権の回収をしたりする方法です。

 

直接強制は、売掛金の回収や未払い給与の回収、養育費の回収などの幅広い債権の回収に用いられています。弁護士に強制執行による債権の回収を依頼する場合、直接強制による強制執行を活用することが基本になります。

 

直接強制のメリットは、支払いを拒んでいる債務者からも強制的に債権を回収できるという点です。債権の回収率が高い点もメリットです。ただし、強制執行の対象になる財産によっては、費用が高額になりがちであるというデメリットがあります。

 

一般的に債権に対する強制執行は執行費用をおさえることができる傾向にあり、不動産に対する執行は費用が高額になりがちな傾向にあります。直接強制を活用する場合、強制執行の費用が強制執行によって回収できる額を上回らないか(マイナスにならないか)をよく考えて手続きを進めることが重要になります。

 

代替執行とは?メリットとデメリット

 

「代替執行」は、債務者の費用を使って第三者に何かをしてもらう強制執行の方法のことです。

 

たとえば、「業者に土地の境界線上に塀を造ってもらい、費用は債務者へ請求する」などが「代替執行」の代表例になります。他には、「土地の賃貸借契約において、契約解除によって土地上の建物を取り壊して土地を所有者に返還しなければならない。それなのに、借主が建物の取り壊しをしない。業者に建物を撤去してもらって費用を借主に請求する」というケースも代替執行の代表的な事例になります。

 

代替執行のメリットは、直接強制により解決できない案件を解決に導くことができるという点にあります。デメリットは、代替執行を使うことができるのは、基本的に直接強制に馴染まない案件に限られるという点です。

 

間接強制とは?メリットとデメリット

 

「間接強制」は、債務者が義務を履行しない期間に応じて損害賠償や金銭の支払いを課すことで、心理的な圧迫感や金銭的な負担を与え、債権の回収に繋げる方法です。

 

たとえば、「元夫が養育費を支払わないため、養育費の支払いをしないと1日につき5千円の間接強制金の支払いを命じる」等が代表的な事例になります。

 

金銭債権の場合は基本的に、強制執行として間接強制を選択することはできません。

ただし、金銭債権であっても
「養育費」
「婚姻費用」
「親族関係の扶養」

などに関しては、間接強制の方法を選択することができるとされています。

間接強制のメリットは、債務者に負担を与えることにより、債務者が自発的に支払いに応じる可能性が高くなることです。デメリットは、債務者が返済できるだけの資力がない(返済能力を欠いている)場合は使うことができないという点です。資力がなくて返済できないという場合に間接強制を認めてしまうと、資力不足で債務者が返済できない間に間接強制金が膨大な額になってしまう可能性があるからです。

 

まとめ

強制執行は、公の権力によって債権の回収をはかる方法です。公権力が関与する非常に強力な債権の回収方法だからこそ、最終手段的な位置づけになっています。

 

強い債権の回収効果を存分に発揮できるように、綿密な事前準備が必須になります。そのためにも、基礎知識として強制執行の種類を一通りおさえておくことは重要です。事情に合わせて強制執行の種類を選択し、計画を立てながら進めていくことになるからです。基礎知識を把握していると、弁護士との相談や債権を回収するための計画立てがよりスムーズになることでしょう。

 

債権者は相談の段階で弁護士より債務者の事情に通じている場合が多いと考えられます。弁護士はクライアントである債権者の話を糸口に、より詳細に財産や状況を確認し、綿密なプランを立てることができます。基礎知識を持った債権者と弁護士が一体となって動くことにより、債権の回収率を高めることができます。

債権の回収にお悩みなら、まずはご相談ください。債権の性質や事情に合った方法を提案させていただきます。

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