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債権回収で用いられる2つの方法
【少額訴訟】と【通常訴訟】の違いとは?6つのポイントで解説

はじめに

債権の回収方法には、個人的に行う電話やメールでの督促から裁判所で手続きをして行う強制執行まで、事情やケースに合わせて使うことができる方法が色々あります。

 

どの債権回収方法にも、債権を回収する上でのメリットとデメリットがあります。良い点と悪い点を相互比較し、自分の債権回収にはどの方法が適しているかをよく検討した上で選択することになります。

 

債権の回収方法を選択する上でよく比較検討の対象になるのは「効力」や「費用」「手続きの長さ」「労力」「自分で手続きできるかどうか」「回収率」です。「債権額」や「債権の内容や性質」「債務者の返済に対する態度」も、債権回収の方法を選択する上で考慮すべき対象になります。

 

そしてさらにもう1点、「債権の回収方法ごとの基本的な特徴」も、方法を選ぶ場合の検討対象になります。つまり、自分に合った債権の回収方法を選ぶためには、債権回収方法ごとの特徴を把握しておく必要があるということです。

 

 

債権の回収方法の中でも「訴訟」という言葉が使われている2つの方法の特徴を、比較しながら解説します。債権の回収で訴訟という手段を用いようと考えている人は、2つの訴訟の違いは一体どんなところなのか、しっかり掴んでおきましょう。6つのポイントで解説します。

債権回収の2つの方法「少額訴訟」と「通常訴訟」の違い6つ

少額訴訟と通常訴訟は、各種の債権の回収方法の中でも「訴訟」という言葉が使われているという共通点があります。裁判所で手続きした上で行うという点も共通しています。裁判官が介在するという点も共通です。しかし、共通点がある上に名前が似ていても、債権の回収方法としてはまったく別物として捉える必要があります。

 

債権の回収方法としては別物なので、もちろん特徴も異なっています。債権の回収方法として訴訟を用いる場合、どちらの方法がより自分に合っているのか、少額訴訟と通常訴訟の特徴を比較して慎重に決める必要があります。慎重に決めなければ、時間と費用を費やした上に債権の回収にも失敗する(無駄足を踏む)可能性があるからです。

 

少額訴訟と通常訴訟。2つの訴訟の特徴的な相違は、次の6つのポイントです。

 

1、少額訴訟と通常訴訟では利用条件が異なる

2、少額訴訟と通常訴訟では費用相場が異なる

3、少額訴訟と通常訴訟では使われる場所が異なる

4、少額訴訟と通常訴訟では用いることのできる証拠が異なる

5、少額訴訟と通常訴訟では控訴や反訴の扱いが異なる

6、少額訴訟と通常訴訟では判決までの期間が異なる

 

1、少額訴訟と通常訴訟では利用条件が異なる

 

少額訴訟と通常訴訟の違いとして第一に把握しておきたいのは、少額訴訟と通常訴訟では利用条件が異なるという点です。少額訴訟を申し立てる場合、利用条件に合致していることが必要です。

 

少額訴訟には、以下のような5つの条件が設けられています条件から外れる場合は使うことができません。少額訴訟と通常訴訟の特徴的な差異としても、利用条件は非常に大きなものです。

 

 

①  少額訴訟は60万円以下の金銭支払い請求にのみ使える

少額訴訟の申し立てには、訴額の制限が設けられています。少額訴訟は60万円以下の金銭支払い請求にしか使うことができません60万円という金額には、利息などは含まないと解釈されています。

 

たとえば、相手に貸し付けた金額が61万円の場合は、60万円を超えているので少額訴訟の制限に引っかかってしまいます。しかし、貸し付けた金額が60万円で、利息や損害遅延金を加算すると63万円になるという場合は、基本的に少額訴訟を利用することが可能です。

 

本来の請求金額が60万円以下であれば、利息や遅延損害金、違約金などで制限金額を超えてしまっても差し支えありません。このように、使用に際して金額的な制限が設けられているという点が、少額訴訟の大きな特徴です。

 

通常訴訟には、このような制限はありません。貸し付けた金額が1億円でも、10億円でも、使うことができます。

 

請求金額が140万円以下か以上の金額かによって裁判所の管轄わかれますが、少額訴訟のような制限は存在していません。

 

② 金銭の支払い請求でなければいけない

 

少額訴訟は、金銭の支払い請求以外には使えません。対して、通常訴訟には、金銭の請求以外に使えないという制限はありません。

 

金銭の支払い請求とは、具体的に次のような請求のことです。

 

・売買代金や売掛金の請求

・請負代金の請求

・慰謝料請求

・物損交通事故の損害賠償請求

・未払い家賃の請求

・敷金の返還請求

・マンション管理費請求

・賃金の請求

・金銭消費貸借(「貸したお金を返して欲しい」など)

 

要するに「お金を払ってください」という請求の問題だけが少額訴訟の対象になるということです。不動産の引渡しや明渡し、所有権の確認、地位の確認などは金銭の支払い請求ではないため、少額訴訟の対象外になります。

 

③ 少額訴訟は1年間に10までしか使えない

 

少額訴訟は、1年あたりの使用回数に制限がかけられています。1人が同じ裁判所に少額訴訟を申し立てることができるのは、年10回までです。少額訴訟を申し立てる時は、訴状の用紙に回数を記載することになっています。

 

少額訴訟に回数制限が設けられているのは、消費者金融などの業者が少額訴訟を乱発することを防ぐためだと言われています。通所訴訟に関しては、少額訴訟のような回数制限は存在していません。

 

④ 少額訴訟は債務者の住所が不明な場合には使えない

 

通常訴訟は、相手方の住所が不明で公示送達によらなければならない場合でも使うことができます。対して少額訴訟は、公示送達によらなければならない場合(相手の住所が不明な場合)は使うことができません

 

⑤ 少額訴訟は被告の申し立てにより通常訴訟に移行する

 

少額訴訟は、被告側の申し立てによって通常訴訟へ移行することがあります

 

通常訴訟の場合、既に通常訴訟をしているわけですから、このような決まり事はありません。通常訴訟から通常訴訟へ移行することなど、あり得ないからです。

 

 2、少額訴訟と通常訴訟では費用相場が異なる

 

少額訴訟と通常訴訟では、拠出する費用の額が違ってきます。基本的に、通常訴訟の方が費用相場は高めです。なぜなら、通常訴訟の方が判決までに長い期間を要する可能性が高いため、その分だけ交通費や弁護士費用などが多く加算され、最終的な費用が膨れ上がる傾向にあるからです。

 

訴訟では、裁判所からの封書に貼り付ける切手代も必要になります。この切手代も、訴訟の期間が長い方が、より高額になる可能性があります。訴訟の期間が長いということは、それだけ裁判所と書類のやり取りをする回数が多くなると考えられるからです。書類のやり取りをする回数が増えると、それだけ切手代もかさむという理屈です。

 

たとえば、少額訴訟では、10万円までの場合は、裁判所に支払う手数料は1,000円になります。弁護士に少額訴訟を依頼すれば、さらに弁護士費用や経費(交通費など)が発生します。弁護士に少額訴訟を依頼しない場合の費用相場は、数千円~数万円ほどだと言われています。

 

弁護士に少額訴訟を依頼した場合は、10万円~30万円くらいが費用相場であると言われます。裁判所の場所や請求額によっても変わってきます。ただ、弁護士に依頼した方がより一般的な費用相場が高めになっています。

 

通常訴訟の場合も、訴額によって裁判所に支払う手数料額が変わってきます。訴額が100万円までの部分については10万円までごとに1,000と定められています。

 

この手数料に弁護士費用や経費を含めると、約30万円からが費用相場であると言われています。もちろん、必ずしもこの費用相場が適用されるわけではありません。事務所によっても報酬に差があります。報酬額が異なると、合計額もかなり違ってきます。

 

単純計算で費用相場を比較すると、通常訴訟の方が高めの傾向があるということは、2つの手続きの特徴として把握しておくべきことです。

 

 3、少額訴訟と通常訴訟では使われる場所が異なる

 

少額訴訟と通常訴訟では、使われる場所が異なります。

 

少額訴訟の場合、基本的には法廷ではなく、ラウンドテーブルのある会議室のような部屋が使われます。ドラマでよく見られるような厳しい雰囲気とは異なり、もっと「話し合い」「双方の言い分を静かに確認する」といった雰囲気が強くなります。

 

ご存知の通りラウンドテーブルは円形の卓です。被告と原告にわかれて主張を戦わせるという雰囲気でもありません。訴訟という言葉から想像するよりもずっと和やかで、粛々としています。

 

スピーディに双方の言い分や証拠を確認するためには法廷よりラウンドテーブルのある会議室の方がいいという点が理由の1つです。そんな意味では、少額訴訟は調停にも近い空気があります。通常訴訟と調停の中間あたりの雰囲気を持った手続きと言えるかもしれません。

 

通常訴訟の場合は、基本的に法廷です。少額訴訟よりも、より厳格な雰囲気が感じられることでしょう。とは言え、少額訴訟も通常訴訟も、どちらも純然とした訴訟であることに変わりはありません。

 

なお、少額訴訟は基本的にラウンドテーブルのある会議室のような部屋で行われ、通常訴訟は基本的に法廷で行われます。ですが、裁判所の空き状況や設備状況によっては違ってきます。通常訴訟でも、ラウンドテーブルのある会議室のような部屋が使われることもあります。

 

4、少額訴訟と通常訴訟では用いることのできる証拠が異なる

 

少額訴訟と通常訴訟では、用いることのできる証拠が異なります。

 

通常訴訟では、証拠の制限などありません。証人を呼んで証人尋問をすることもできますし、書証や物を確認することもできます。当事者に対する尋問が行われることもあります。筆跡などの鑑定をすることも可能です。対して少額訴訟は、通常訴訟より短期で決着する短期決戦型の訴訟ですので、決着が長引くような証拠を用いることが難しくなります。

 

少額訴訟では、用いることのできる証拠に制限がかけられます。少額訴訟で用いることのできる証拠は、最初の期日で調べることのできる証拠に限られます

 

少額訴訟では、自分の主張と証拠を最初の期日までに提出することが基本です。この点、適宜主張を戦わせ、弁護士と相談しながらタイミングをはかって証拠を提出することのできる通常訴訟とは異なっています。証拠を小出しにすると、少額訴訟のメリットであるスピーディな判決が阻害されてしまうからです。

 

最初の期日で調べることのできない証拠は、少額訴訟では制限の対象になるため用いることができません。たとえば、証拠の内容が複雑であったり、証人が多すぎて調べきれなかったりする場合は、制限の対象になります。

 

通常訴訟には基本的に証拠の制限がない。対して少額訴訟は、証拠調べに使うことができる時間が通常訴訟よりも短いため、証拠が制限される。これは、通常訴訟と少額訴訟のどちらを債権の回収に用いるか決める上で把握しておきたい特徴です。

 

5、少額訴訟と通常訴訟では控訴や反訴の扱いが異なる

 

通常訴訟と少額訴訟では、控訴や反訴の扱いが異なります。控訴や反訴の扱いについても、2つの手続きを区別する特徴になります。

 

少額訴訟では、判決に不満を抱いても控訴をすることができません上級の裁判所にさらなる審理を求めることができないという点は、少額訴訟を選択した以上、覚悟しておくべき特徴です。

 

ただし、まったく不服が許されないというわけではありません。控訴は制限されますが、代わりに異議申し立てをすることは可能です。異議申し立てがなされると、訴訟終結前の状態に戻って、通常訴訟というかたちで改めて手続きが進むことになります。

 

また、少額訴訟では反訴を提起することができないという制限があります。これは、反訴を提起することで訴訟が複雑化し、少額訴訟のメリットであるスピードが打ち消されてしまう恐れがあるからです。反訴の提起によって少額訴訟が複雑化して審理に時間がかかると、通常訴訟で審理していることに等しくなります。少額訴訟を申し立てた意味がありません。

 

通常訴訟では、反訴が制限されることはありません。少額訴訟と通常訴訟の特徴を把握する場合は、反訴や控訴についてもおさえておきましょう。

 

6、少額訴訟と通常訴訟では判決までの期間が異なる

 

少額訴訟と通常訴訟では、判決が下るまでの期間が大きく異なっています。基本的に、通常訴訟の方が、判決が下るまでの期間が長めです。

 

少額訴訟は、1回の審理で判決まで終わらせる手続きです。訴訟という名前がつくところは通常訴訟と同じですが、通常訴訟よりも、よりスピードに重きが置かれています。額が小さいことが1つ。そして、額の小さい債権トラブルの迅速な解決を目的としているためです。少額訴訟で用いることのできる証拠に制限があるのも、このためです。少額訴訟は、短期決戦型の訴訟であると言えます。

 

通常訴訟では、少額訴訟のように証拠に対する制限は設けられていませんでした。これは、通常訴訟が1回の審理で判決に至るわけではないからです。通常訴訟の方が証拠調べに時間を多く使うことができます。その分だけ判決までの期間が長くなります。少額訴訟が短期決戦なら、通常訴訟は長期戦型の訴訟です。

 

通常訴訟の場合、判決が下されるまで、大よそで数カ月の期間を見なければならないと言われています。裁判所の混雑状況や争いの内容によっては、この限りではありません。さらに期間を要することもあります。長い場合には年単位の期間がかかることもあります。同じ「訴訟」という言葉が使われる手続きでも、少額訴訟と通常訴訟では、判決までの目安となる期間にかなりの差があります。

 

 

通常訴訟と少額訴訟の判決は、ともに強制執行の布石である債務名義になります。しかし、判決までに要する期間に違いがあるため、強制執行の前段階として手続きを使う場合は方法を慎重に検討すべきです。少額訴訟と通常訴訟の判決までに要する期間的な差異という特徴に注意する必要があります。

債権の回収を少額訴訟と通常訴訟
どちらで行うべきか?競合の際の選択方法

少額訴訟と通常訴訟の場合、「どちらの手続きも選択できる」という競合状態が発生することがあります。

 

よくある競合の例としては、50万円の金銭の支払いを求めるなどのケースです。請求額が50万円です。そして金銭の支払いを求めるわけですから、少額訴訟の条件に合致しています。少額訴訟を提起することが可能です。

16の特徴を考慮して、少額訴訟と通常訴訟のどちらが良いのかを決めるのが方法の1です。

 

たとえば、少額訴訟を提起しても、債務者側が少額訴訟に同意しないケースがあります。被告側の同意がなければ、少額訴訟は通常訴訟に移行します。これでは、少額訴訟を提起した意味がありません。最初から通常訴訟の申し立てをした方が、費用面でも時間の面でも効率的です。

 

債務者が少額訴訟に対してどのように出るかを予想して、最終的に通常訴訟を選ぶ。これも、1つの債権回収方法の選び方です。

 

このように、16の特徴を把握した上で選択することが重要です。

 

・債権の回収において債権者が何を優先するかも方法選択では重要に

 

もう1つは、「債権者が優先したいものは何か」が方法選択の基準として考えられます。

 

たとえば、自分で債権の回収を行いたい場合、自分で手続きができるかどうかを判断の最優先にして少額訴訟を選択することが考えられます。

 

債権の回収では、費用倒れの問題も無視できません。債権を回収できても、回収した債権の額を費用が上回っては、とても債権の回収に成功したとは言えないからです。だからこそ、債権額と費用のバランスを考えて少額訴訟を選択することも考えられます。

 

債権を回収する中で「何を優先するか」は、債権者によって異なります。少額訴訟と通常訴訟の16の特徴を踏まえた上で、優先するものは何かをよく考えて選択することも大切です。

最後に

債権の回収方法には、債権者が自分で行う督促から、条件を満たした債権者が裁判所で手続きする強制執行まで、いくつもの方法があります。

債権の回収方法の中でも、「訴訟」という同じ言葉が使われている少額訴訟と通常訴訟にも、それぞれ特徴があります。少額訴訟と通常訴訟の特徴を見れば、名前が似ているだけでまったくの別物であることが理解できるはずです。

少額訴訟にするのか、それとも通常訴訟にするのか。方法を選択する場合は、16の特徴を踏まえてよく検討しましょう。検討の際は、2つの方法で想定される回収率や費用を先に弁護士へと相談しておくといいでしょう

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